1.大人の姿勢-2

楽な姿勢

「良い姿勢」とは身長通りの姿勢でしたが、
では「楽な姿勢」とはどんな姿勢だと思いますか。
いくら身長通りがよいといっても、姿勢は絶えず変化しますし、
また意識しなくても変化するものですから、そればかりをとり続けることはできません。
また、Aさんが楽だと感じる姿勢が、必ずしもBさんにとっても楽であるとは限りません。


そこで、猫背を例にとってみてみましょう。
猫背をとり続けていると、筋肉がその姿勢を一番楽であると感じるようになります。
そうなると筋肉が、あくまでその姿勢をとらせるように働きます。
実はこれが楽だと感じる仕組みなのです。
つまり、その人なりに「習慣づいた姿勢」が、
その人にとって「一番楽な姿勢なのだ」ということです。
くつろいだ時は、大抵は猫背になりがちです。
でもそれが楽だと感じてもよいのです。
しかししばらくすると背すじを伸ばしたくなり、身長通りになる、
これも楽であると感じるようでありたいものです。
くつろぎの姿勢として、
椅子に腰かけた時の足組みの姿勢と、畳の上でのあぐら姿勢をみてみましょう。


足組み姿勢

足を組む姿勢が悪いといったら、そんな馬鹿なと思う人が大半だろうと思いますが、
大変にクセづきやすい姿勢の代表であるといってさしつかえありません。
はじめは背もたれに寄りかかって組むでしょう。
リクライニングシートに腰かけてもたれかかると、いやでも股が開きます。
あまりにもダラしない格好になるために足を組むクセがつきます。
右、左と絶えず組み変えればまだいいのですが、
決まった足を上げて組むようになったら、これはもう完全な筋肉のクセとなります。


写真を見て下さい。
クセとなった筋肉は
背もたれのないところに腰かけても、足を組ませるようになります。
組んでいる間は必ず尾骨に重心をかけた猫背になります。
猫背にならなくては足は組めないのです。


実験すればすぐにも分かることですから、やってみましょう。
背もたれから離れて、きちんと背すじを伸ばします。
この時は左右の坐骨に均等の体重がかかっています。
その姿勢を少しでもくずしてはいけません。
足を組むどころか、上げることさえできないでしょう。


この足組み姿勢で、パソコンに向かうようになったら最悪です。
首がこる、肩がこる、背中が痛むは当り前の症状として、
早かれ遅かれ、100%腰痛になる日がやってくるでしょう。
20代で腰痛になる人があるかと思えば
60になってはじめてと年齢の幅はあるものの、
痛くなってさえ、足を組むのが原因だとは思いもつかないのです。
このことは腰痛のところで詳しくお話しすることにしましょう。


家庭では、父親が足を組めば、家族全員が組むようになります。
また、昭和20年以前には行儀作法の面から見られなかった姿勢ですが、
欧米人が足を組む姿勢がかっこいいからと、まねしてきた結果でしょう。
今や大学生では組むのが70%と、足を組まない方が少数派となってしまいました。
肥満体や、足の短い人では組めません。
日本人の特徴ともいえた胴長短足の昔型の人間が少なくなって、
現代の若者は間違いなく、足が長くなったのですね。
今では医師でさえ、組んだ方がいいのだという人がいます。
医師の世界にも腰痛が増えている現実があります。

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