2.膝に水がたまる。水を抜かずに治ったのは、、、(膝関節痛)     K.N(剣道師範九段79歳)

昭和7年頃、私はたった一度だけカイロの治療を受けたことがありました。
その頃の剣道の稽古というのは、
今と道って足がらみで相手を倒したり、
首打ちをやったりという荒っぽいものでした。
足をかけ損なって膝を板張りにしたたかに打つことも珍しくありません。
それで膝に水がたまったんだと、素人なりに思っていました。
そんなことを、中山博道という、日本剣道史に名を残した名人が聞きつけて、
カイロの先生のところへ行けということになったわけです。
まだ若かったし、膝痛をあまり深刻に考えていなかったこともあって、
そのとき一度行ったきりでした。
以来五十数年、何回か膝に水がたまり、それを抜くということを繰り返しました。
膝というものは治らないものと思い込んでいたきらいがあるのです。


これには理由があります。
私の親しくしている整形外科のお医者さんのお宅で
昼食をご馳走になったときのことです。
奥さんが出てきて
「先生、ごめんなさい」といって、足を投げ出された。
「どうされたのですか」と聞くと、
「もう七、八年になりますが、膝の具合がよくないのです」とおっしゃる。
「ご主人は治してくれないのですか」と再度聞くと、
「だめなんです」ということでした。
去年の正月にも、まったく同じケースに出くわしました。
そのお医者さんの奥さんは、膝が痛みはじめて10年くらいになるということでした。
以前と同じように「ご主人は治療してくれないのですか」と聞くと、
「いろいろやってもらうけど、いっこうに治らない」という返事でした。
こんな事例を目の当たりにすれば、
これはもう、自分の膝はいくら整形外科に通っても治らない
と思うのは無理ないのではないでしょうか。


そんな矢先、私の次男の大学時代の友人が
カイロプラクティックの先生を紹介したいといってきたのです。
整形外科に見切りをつけていた私は、
よしやってみようと、カイロプラクティックに賭ける決心をしたのです。
背骨の触診の結果、5,6回から10回ぐらい治療すれば
何とか結果がわかるとおっしゃってくれ、私も期待して通いました。
膝の痛みはだんだんよくなりました。
甲木先生は「90歳までは絶対稽古ができるように治してあげます」と保証してくれます。
すっかり嬉しくなって、忙しい時でも無理して治療に通ったおかげでしょう、
最近はほんとうによくなりました。
甲木先生の治療は、膝が悪いというのに、その膝にはまったく手をかけません。
「N先生の膝が惑いのは、腰骨のゆがみからきている神経痛なのです。
 腰を治さなければ膝は治りませんよ」とおっしゃって、
腰骨とからだ全体をほぐしてくださる。その辺が私にはわかりませんが、
わからないけれども実際に膝がだんだんよくなってきたということは、
やはり先生のおっしゃるとおりだと、納得する次第です。
私は面を打つのが得意だったのですが、
膝が痛くなってからは稽古中に面が打てませんでした。
何か飛び込んでいくのが怖いような気がして、打てなかったのです。
ところが、この2、3ヵ月前から膝がよくなってきて、
いままでできなかった走りができるようになりました。
それで自信がついてきて、面を飛び込んで打てるようになりました。
ほんとうに、カイロプラクティックに肋けられたな、と思う今日この頃です。
現在私は、一橋大、中央大、防衛大学の剣退部で教えています。
それから警察大学にも半年だけ週に一回ずつ行きます。
警察大学は、各都道府県の警察の、将来剣道師範になるような人が入ってくるので、
四月から九月までの半年間だけ指導するわけです。
若い人を相手に何時間も稽古をするのは大変だろうとよくいわれますが、
剣道は体力あるいは力でやるものではありません。
長年の修練による精神力、あるいは心というものが剣先に伝わってきて相手を圧倒するのです。
それに私には、カイロプラクティックという強い味方もできました。
何しろ、甲木先生が90歳まで保証してくれたのですから、
まだまだ、これからだと思っています。


甲本寿人からのコメント
Nさんの背中を診て、さすがだなあと感心させられるのは、
79歳というお齢にもかかわらず、まさしく筋骨隆々というのがピッタリのお方なのです。
少年時代から鍛えに鍛えた身体は、ボディビルの筋肉隆々とはいささか異なっていて、
背骨の太さを感じるのです。無駄なぜい肉も一切ありません。


50歳を過ぎると、もう老化現象を言われる膝関節痛ですが、私の所では膝そのものが
悪くて膝が痛んだというケースは一例もありません。
にもかかわらず医療では、膝そのものの治療ばかりですから治るはずがありません。
リウマチは別ですが、
老人性の多少の関節変形があっても、それが痛みの原因にはなりません。
足先に砂袋をつけての筋肉強化法なんて何の意味もありません。
左右交互に均等に使って歩き走りしてきた片側だけの筋肉か弱くなるはずがないのです。
もし片側だけ弱くなるとしたら、それは神経の働きが障害を受けているからです。


Nさんの膝の痛みも、腰が悪いための神経痛でした。
しかし姿勢のクセによる脊柱側わんのためではなく、
ご本人も認めていられるように、激しい稽占で膝を床に突く等のショックで、
腰骨(腰椎)の整列が悪くなっていたのが原因だったのです。
腰椎から膝に下がる大腿神経が障害を受ける神経痛としての膝痛が、
医療では全く理解されていないのが不思議といえば不思議なところです。
しかしNさんの膝は早くなおせると私は思いました。
前に述べました背骨を守る筋力が素晴しく発達しているからです。
日本一の剣士の膝をお治しすることができて、私もホッとしたものです。

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