2.猫背から起こる様々な症状ー指の痛み・バネ指（弾撥指だんぱつし）・腱鞘炎
手足の指を動かす筋肉が関節を渡る部分は腱という紐状になっています。
拳骨を作って観察しましょう。
人差指だけを伸ばして、曲げたり伸ばしたりを繰り返すと、腱の動きがよく分かります。
この腱は筒状の鞘に包まれていて滑液の中を運動するのですが、
この中に炎症が起こるから痛むというのが腱鞘炎です。
５本全部の指が、または親指、中指と特定の指が、
曲げる時に痛い、伸ばす時に痛い、どちらも痛い。
しかし両手ではなく、左右どちらかの手であるはずです。
両手指同じ所がという場合は、リウマチということもありますから血液検査が必要です。
バネ指といって、曲げ伸ばしの度に音がするほどカクンカクンとなる症状が先立つこともあります。
リウマチの疑いがはれると、腱鞘炎と診断されて、指の使い過ぎが原因といわれるはずです。
突き指をしたとか、打撲があって炎症というのなら分かるのですが、
指の使い過ぎで炎症というのは、うなずけません。
特に右手の親指が、曲げる方が痛いという症状になると、
包丁が握れない（親指が曲げられないと、皮をむくといった動作ができない）、
櫛で髪をとかせないというような辛い痛みになります。
時にピアノ専攻の学生が、腱鞘炎を訴えてやって来ます。
ピアノの弾き過ぎが原因というなら、ピアニストになれるはずがありませんね。
鍵盤に向かう姿勢を教えて、胸はり体操を教えると、若さもあって簡単に治ります。
たまたま編み物をやっていたりすると、指の使い過ぎといわれて納得する方もあるでしょうが、
大抵は原因が思い当たらないはずです。
長い時間の編み物の頭をうつむけた姿勢を思い浮かべてみて下さい。
そうです。猫背が原因の神経痛なのです。
曲げる方が痛いのは正中神経、伸ばす方が痛いのなら橈骨神経（とうこつしんけい）、
また両方共ということもあるわけです。
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